吾輩は猫である

地球温暖化が進んでいます。宇宙船地球号は持続できるのでしょうか。日本の平和憲法も危機にさらされています。地球温暖化防止、守ろう憲法9条・生かそう憲法25条を訴えます。

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風がおもてで呼んでゐる

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風がおもてで呼んでゐる  宮沢賢治

風がおもてで呼んでゐる
「さあ起きて
赤いシャッツと
いつものぼろぼろの外套を着て
早くおもてへ出て来るんだ」と
風が交々叫んでゐる
「おれたちはみな
おまへの出るのを迎へるために
おまへのすきなみぞれの粒を
横ぞっぽうに飛ばしてゐる
おまへも早く飛びだして来て
あすこの稜ある巌の上
葉のない黒い林のなかで
うつくしいソプラノをもった
おれたちのなかのひとりと
約束通り結婚しろ」と
繰り返し繰り返し
風がおもてで呼んでゐる

「水仙月の四日」「雪わたり」など宮沢賢治作品には、風や雪や吹雪を読み込んだ作品が多い。
冬が好きだったんだろうか。

風がおもてで呼んでゐる 呼ばれているのはきっと賢治さんでしょう。

宮崎は今日も30度を超す真夏日。みぞれの粒は好きとはいえませんが、私も冬を待ちこがれています。


昨今、安倍政権の閣僚辞任、政治と金の問題が騒がれていますが、宮沢賢治さんは次のような政治家に対する辛辣な詩も書いている。

政治家  宮沢賢治 

あっちもこっちも
ひとさわぎおこして
いっぱい呑みたいやつらばかりだ
     羊歯の葉と雲
        世界はそんなにつめたく暗い
けれどもまもなく
さういふやつらは
ひとりで腐って
ひとりで雨に流される
あとはしんとした青い羊歯ばかり
そしてそれが人間の石炭紀であったと
どこかの透明な地質学者が記録するであらう
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賢治からの伝言~「注文の多い料理店」

 久しぶりに宮沢賢治の童話紹介です。
 宮沢賢治は東京にあこがれながら、一方で都会人が好きではなかったようですね。ましてや都会からやってきて遊びで動物を殺すハンターを嫌悪していたと思われます。
 「注文の多い料理店」ではそうしたハンターが山猫に痛い目にあわされますが、その手だてとしてなかなか巧妙な言葉の罠が仕掛けられているのが面白いです。

        「注文の多い料理店」本文はこちらのサイトで読めます。

 さて、「注文の多い料理店」のあらすじです。
 都会から狩猟にやってきた2人の若い紳士が何も獲物を打つことができないまま山奥を白熊のような犬を2ひきつれて歩いていくが、山が険しいため犬たちは泡を吐いて死んでしまい、2人はおじけづいて戻りたくなりました。「なあに戻りに、昨日の宿屋で、山鳥を拾円も買つて帰ればいい。」などとお金を出せば何でも買えると思っている都会人らしい会話をかわします。しかし、戻るにも道がよくわからなくなっていました。

 「風がどうと吹いてきて、風がざわざわ」して何か不気味な雰囲気になってきました。そして気がつくと、後ろに立派な洋館があり、「西洋料理店・山猫軒」という札がでています。空腹を覚えていた2人は、こんな山の中に立派なレストランがあるのはおかしいと思いながら、食事にありつけそうなのを喜びます。そしてガラスの戸には、「どなたもどうかお入りください、決してご遠慮はありません」と書いてあるではありませんか。

  中に入っていくとこの建物にはおかしなことにいくつも戸と廊下があり、ガラス戸にはいちいちお客への奇妙なメッセージが書いてあります。「ことに肥つたお方や若いお方は、大歓迎いたします」「当軒は注文の多い料理店ですからどうかそこはご承知ください」「鉄砲と弾丸をここへ置いてください」「ネクタイピン、カフスボタン、眼鏡、財布、その他金物類、ことに尖つたものは、 みんなここに置いてください」「壷のなかのクリームを顔や手足にすつかり塗つてください」「いろいろ注文が多くてうるさかつたでせう。お気の毒でした。もうこれだけです。どうかからだ中に、壷の中の塩をたくさんよくもみ込んでください」

 ここまできてさすがに2人は、料理されようとしているのは自分たちであることに気づきます。逃げようとしても後ろの戸は動かず、目の前の扉のがき穴から、2つの青い目玉がのぞいています。2人は白熊のような犬たちに助けられますが、東京に帰っても恐怖で「紙くづのやうになつた」2人の顔はもとに戻りませんでした。


 金があれば何でもできるというような考えを捨て、無益な殺生もしないほうがよさそうですね。「紙くずのようになった顔」が元に戻らなくなるかも知れませんよ。

テーマ:思うこと - ジャンル:小説・文学

「雪渡り」~狐や狸は人を化かさない

 虚偽・虚飾・虚業・虚構……。拝金主義を根底に引き起こされ、いま世間を騒がせている、マンション・ホテルの耐震偽造問題、そしてホリエモン・ライブドア問題を語るキーワードでしょうか。
 これらの問題を見聞きし、そして、これらに対する「独善魔」コイズミと、腰巾着のタケベ幹事長、無経済学者タケナカ大臣などの人を愚弄するような詭弁を聞いていると、怒りを通り越して本当に空虚な気持ちにさせられます。

 そんな気持ちを、一時期でも癒しほっとさせてくれるのが宮沢賢治の童話です。今日は、人の子ども四郎と、かん子と、小狐紺三郎の心あたたまる交流を描いた「雪渡り」という童話を紹介したいと思います。
      実にリズム感があって楽しい「雪渡り」本文が読めます。

 昔話では、どういうわけか狐や狸に人が化かされる話が多いですが。しかし、そんな目で狐や狸を見てきたのは人間の方で、狐や狸にしてみればずいぶん迷惑なことでしょう。(人間を化かすのは人間、狐や狸は化かさない)賢治はそう感じる人だったようです。「雪渡り」はそういう想いが語られた童話です。

 季節はちょど今の時期です。降雪の後のよく晴れた日の野原に、四郎とかん子が遊びにでかけました。小さな雪沓が雪を踏む「キックキックキック」という音、そして「堅雪かんこ、しみ雪しんこ」という二人のはやし言葉が物語全体に響いていています。このリズムから2人の浮きたつような気持ちがおのずと伝わってくるんですよね。このリズムにつられるようにして、狐の子の紺三郎が森から姿を現し、2人と紺三郎のかけあいが始まります。

 「四郎はしんこ、かん子はかんこ、黍(きび)の団子をおれやろか。」狐の子が歌うと、かん子が小さな声で「狐こんこん狐の子、狐の団子は兎(うさ)のくそ。」と歌いかえします。それを聞いて子狐の紺三郎は笑いながらいいます。「いヽえ、決してそんなことはありません。…私らは全体いままで人をだますなんてあんまりむじつの罪をきせられてゐたのです。」
  四郎は驚いて「そいぢゃきつねが人をだますなんて偽(うそ)かしら。」と尋ねます。すると紺三郎は「偽ですとも。けだし最もひどい偽です。だまされたといふ人は大抵お酒に酔ったり、臆病でくるくるした人です。…」と熱心に説きました。

 こんな具合に四郎とかん子と子狐が友達になり、2人は狐の子供たちの幻灯会に招かれました。
 幻灯会の休憩時間になって狐の女の子が2人に黍団子(きびだんご)をのせたお皿をもってきてくれます。2人はちょっと迷ってから、「紺三郎さんが僕らを欺(だま)すなんて思はないよ。」と食べてみるのです。すると、とてもおいしいのでした。まわりで、食べるかどうかじっと見ていた狐の子たちは、みな信じてもらえたことを喜んで踊りだしました。

 狐や狸は人を化かさない。悪い人間が人間を………。賢治からの伝言です。

テーマ:宮沢賢治からの伝言 - ジャンル:その他

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