地球温暖化が進む中で、「原子力発電は、二酸化炭素を発生させる化石燃料にとってかわる、地球温暖化防止の切り札」のようにいわれたりしている。とんでもない政策である。ドイツでは原発18基分に相当する風力発電が稼働している。日本でももっと風力発電設置に力を注ぐべきである。
チェルノブイリ原発事故20周年、下記の記事はあらためて原発の危険性を伝えている。
4月26日は、原子力発電所の事故としては最悪のチェルノブイリ原発事故から20周年である。国際原子力機関(IAEA)や世界保健機関(WHO)などの国際機関はこの事故に対しての報告をまとめている。
それによると、この事故による直接の死亡者は50人、事故が原因だと思われる死者は4、000としている。一方、この20年間に甲状腺ガンで死んだ子どもは9人であり、500万人が被曝したといわれるこの地域の病気の大部分は貧困の増大と不健康なライフスタイルであるとしている。
これに対して、ウクライナの科学者や医師は、少なくとも3万人が大量の放射能をあびたことが原因でガンになるだろうし、すでに50万人が事故が原因で死亡している、IAEAやWHOはこの膨大な犠牲者を無視している、と批判している。
ウクライナの国立放射能防護委員会の副責任者は、チェルノブイリの犠牲者は公式にみなされている200万人のうち、少なくとも50万人、おそらくはそれ以上がすでに死亡しているという。ウクライナの学者や研究者は、各種の調査結果をIAEAやWHOに報告したがすべて無視されていると憤慨している。
原子力発電は、二酸化炭素を発生させる化石燃料にとってかわる、地球温暖化防止の切り札のようにいわれている。しかし、はたして本当にそうなのかという問いかけに、英国政府の独立諮問機関である持続可能な開発委員会(SDC)は3月初めに、原子力の危険はいぜんとして非常に大きいと警告している。
ジョナサン・ポリット委員長は、「原子力が有益であることは否定の余地がほとんどないが、重大な欠点の方が大きい」と述べている(「ガーディアン」3月6日付け電子版)。SDCの報告は、使用済み核燃料の処理がいぜんとして大きな問題であり、いまのところ安全を保障するのは「不可能」とさえいっている。
チェルノブイリ事故の放射能は、はるか遠く離れたわが国にも飛来し、当時は、牛乳を飲んでいいかどうかという議論まであった。しかし、20年後の今日、そんなことなど忘れたかのように、プルサーマル運転にゴーサインが出され、使用済み核燃料再処理工場の運転がされようとしている。裁判所が地震への備えが不十分と原発の運転差し止めの判決を下しても、あるいは津波による5メートルの引き波が発生した場合、日本の原発の約8割にあたる43基の原発で、冷却水が一時的に海から取水できなくなることが明らかになっても、である。
平和新聞 4月5日付け記事から転載
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