吾輩は猫である

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賢治からの伝言~「注文の多い料理店」

 久しぶりに宮沢賢治の童話紹介です。
 宮沢賢治は東京にあこがれながら、一方で都会人が好きではなかったようですね。ましてや都会からやってきて遊びで動物を殺すハンターを嫌悪していたと思われます。
 「注文の多い料理店」ではそうしたハンターが山猫に痛い目にあわされますが、その手だてとしてなかなか巧妙な言葉の罠が仕掛けられているのが面白いです。

        「注文の多い料理店」本文はこちらのサイトで読めます。

 さて、「注文の多い料理店」のあらすじです。
 都会から狩猟にやってきた2人の若い紳士が何も獲物を打つことができないまま山奥を白熊のような犬を2ひきつれて歩いていくが、山が険しいため犬たちは泡を吐いて死んでしまい、2人はおじけづいて戻りたくなりました。「なあに戻りに、昨日の宿屋で、山鳥を拾円も買つて帰ればいい。」などとお金を出せば何でも買えると思っている都会人らしい会話をかわします。しかし、戻るにも道がよくわからなくなっていました。

 「風がどうと吹いてきて、風がざわざわ」して何か不気味な雰囲気になってきました。そして気がつくと、後ろに立派な洋館があり、「西洋料理店・山猫軒」という札がでています。空腹を覚えていた2人は、こんな山の中に立派なレストランがあるのはおかしいと思いながら、食事にありつけそうなのを喜びます。そしてガラスの戸には、「どなたもどうかお入りください、決してご遠慮はありません」と書いてあるではありませんか。

  中に入っていくとこの建物にはおかしなことにいくつも戸と廊下があり、ガラス戸にはいちいちお客への奇妙なメッセージが書いてあります。「ことに肥つたお方や若いお方は、大歓迎いたします」「当軒は注文の多い料理店ですからどうかそこはご承知ください」「鉄砲と弾丸をここへ置いてください」「ネクタイピン、カフスボタン、眼鏡、財布、その他金物類、ことに尖つたものは、 みんなここに置いてください」「壷のなかのクリームを顔や手足にすつかり塗つてください」「いろいろ注文が多くてうるさかつたでせう。お気の毒でした。もうこれだけです。どうかからだ中に、壷の中の塩をたくさんよくもみ込んでください」

 ここまできてさすがに2人は、料理されようとしているのは自分たちであることに気づきます。逃げようとしても後ろの戸は動かず、目の前の扉のがき穴から、2つの青い目玉がのぞいています。2人は白熊のような犬たちに助けられますが、東京に帰っても恐怖で「紙くづのやうになつた」2人の顔はもとに戻りませんでした。


 金があれば何でもできるというような考えを捨て、無益な殺生もしないほうがよさそうですね。「紙くずのようになった顔」が元に戻らなくなるかも知れませんよ。
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テーマ:思うこと - ジャンル:小説・文学

コメント

初めまして。

紫(ゆかり)と申します。
履歴から訪問させて頂きました。
凄く内容の濃いblogですね。
なんだか考えさせられます。
私は難しい事はよく分からないのですが、この「注文の多い料理店」は小学校の頃国語の教科書に載っていて、子供心に凄く印象に残ったお話だったんです。
こういう絵本にも成り得る物語は、最後に必ずしっかりしたオチがついていていいですよね。
久々に読み返して、また考えさせられました。
それと同時になんだか懐かしい気持ちになり、コメントさせて頂きました。
それでは、長文失礼致しました。

  • 2006/04/14(金) 00:46:22 |
  • URL |
  • 紫 #-
  • [ 編集]

ゆかりさん、コメント頂きましてありがとうございます。宮沢賢治の童話は子どもには少し難解なものが多いですが、大人が読んでも今の時代にも通じるものがありますね。私は、大好きです。

  • 2006/04/14(金) 19:22:07 |
  • URL |
  • 牡猫COO #-
  • [ 編集]

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