吾輩は猫である

地球温暖化が進んでいます。宇宙船地球号は持続できるのでしょうか。日本の平和憲法も危機にさらされています。地球温暖化防止、守ろう憲法9条・生かそう憲法25条を訴えます。

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いちばんばかで、めちゃくちゃで、まるでなっていないようなのが、いちばんえらい

 宮沢賢治の作品に「どんぐりと山猫」という大変楽しい童話があります。

 山猫判事は、どんぐりたちの「いちばんえらい」もの判定の裁判に巻き込まれ、かねた一郎君に応援を求めてきたのです。
 裁判は3日目になるのですが、相変わらず「どんぐりどもは口々に叫び」ます。
    「なんといったって頭のとがってるのがいちばんえらいんです。」
    「いいえ、ちがいます。まるいのがえらいのです。」
    「大きなことだよ。大きなのがいちばんえらいんだよ。」
    「だめだい、そんなこと。せいの高いのだよ。せいの高いことなんだよ。」
    「押しっこのえらいひとだよ。押しっこをしてきめるんだよ。」
 山猫判事は、「裁判ももうきょうで三日目だぞ。いい加減に仲なおりしたらどうだ。」といいますが、どんぐりたちは相変わらず自分が「いちばんえらい」とくちぐくに言います。

 困った山猫が一郎君にそっと申しました。「このとおりです。どうしたらいいでしょう。」
 一郎君はわらってこたえました。
「そんなら、こう言いわたしたらいいでしょう。このなかでいちばんばかで、めちゃくちゃで、まるでなっていないようなのが、いちばんえらいとね。ぼくお説教できいたんです。」
 山猫判事はなるほどというふうにうなずいて、一郎君の言うとおり、どんぐりたちに判決を申し渡しました。
 判決を聴いた「どんぐりは、しいんとしてしまいました。それはそれはしいんとして、堅まってしまいました。」

 いま日本の政治の舞台では、小泉首相の「改革をとめるな」という大号令のもとで、郵政民営化が断行され、政府系金融機関統合改革、三位一体改革、医療費改革、公務員削減改革などなど、まったく国民生活を無視した「改革」が進められています。そして改革競争・ポスト小泉レースで、それぞれに「いちばんえらい」を競争しつづけています。そして小泉首相は、総裁選挙に向けて、もっと権力闘争が激しくなると競争を煽り立てています。
 また、「勝ち組」を代表する「ヒルズ族」は、これまた金の力にまかせて「いちばんえらい」を競っています。

 かねた一郎君=宮沢賢治だったら、国民無視・権勢欲旺盛な政治家どもや、「ヒルズ族」などよりも、愚鈍であっても勤勉さと素朴さを持った一人ひとりの人間が「いちばんえらいのだ」と言ってくれると思います。これが賢次からの伝言だと思います。

 しかし、国民無視・権勢欲旺盛な政治家どもや、「ヒルズ族」などは、どんぐりのように「しいんとしてしまいました。それはそれはしいんとして、堅まってしまいました。」というような殊勝な心は持ち合わせないでしょうか。

 高IQでも他人を思いやれない「バカ」より、人に対する「愛」と「情」を持った「貴い馬鹿」を目指そうという『「馬鹿論」再考』も現在の世相を観るうえで面白いです。是非訪ねてみてください。

 さて「どんぐりと山猫」の物語ですが、かねた一郎君に山猫から、はがきが届いたところから始まります。


おかしなはがきが、ある土曜日の夕がた、一郎のうちにきました。
   かねた一郎さま 九月十九日
   あなたは、ごきげんよろしいほで、けっこです。
   あした、めんどなさいばんしますから、おいで
   んなさい。とびどぐもたないでくなさい。
                   山ねこ 拝

          「どんぐりと山猫」本文はこちらで読めます。


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