吾輩は猫である

地球温暖化が進んでいます。宇宙船地球号は持続できるのでしょうか。日本の平和憲法も危機にさらされています。地球温暖化防止、守ろう憲法9条・生かそう憲法25条を訴えます。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

宮沢賢治からの伝言~正直者が一番です

 俗世間では、マンションやホテルの耐震偽造、ライブドアのマネーゲームなど虚偽と虚飾に満ちた話題で大騒ぎです。昨日のファッショ小泉首相の施政方針演説も自己満足と虚飾に満ち空疎なものでした。 

 そんな俗世間の虚偽と虚飾に満ちた話題から離れ、今日は、宮沢賢治の童話集「イーハトヴ民話」の4番目に収載されている「祭りの晩」という童話を紹介したいと思います。正直者の「山男」と村人たちの交流をえがいて、気持ちをほのぼのとさせてくれます。

           「祭りの晩」本文はこちらで読めます。

 物語は次のくだりから始まります。
 「山の神の秋の祭りの晩でした。
 亮二はあたらしい水色のしごきをしめて、それに十五銭もらって、お旅屋にでかけました。「空気獣」という見世物が大繁盛でした。」
 
 この「空気獣」なるもの実は、牛の胃袋に空気を詰めたもので、棒でどっかを押すと形が変わるだけの代物なんです。ライブドアが作り出した「空価値」「虚偽価値」に通じますね。見せ物はこれで大繁盛なんです。一方で山男は、金色の目をしていて里の人から見ると異様な風体をしているものの、じつは正直で純朴な性格なんです。

 山の神の秋の祭りの晩、亮二は見世物小屋から出ようとして、大きな男にぶつかってしまいます。その男は「古い白縞(しろじま)の単物(ひとへ)に、へんな簑(みの)のやうなものを着た、顔の骨ばって赤い男で…その眼はまん円で煤(すす)けたやうな黄金(きん)いろ」というように、異様な様子をしているので、亮二も不思議におもってしげしげとその男をながめました。
 
 しばらくして、少し離れた掛け茶屋の方で大きな声が聞こえ亮二が行ってみると、さっきの大きな男が村の若い者たちにいじめられていました。大きな男が団子を2串食べたがお金をもっていず、どもりながら「た、た、た、薪(たきぎ)百把(ば)持って来てやるがら。」と言っています。村の若者たちは「貴様んみたいな、他所(よそ)から来たものに馬鹿(ばか)にされて堪(たま)っか。」と勢いづきます。若者たちは、なじみのない異質な者の弱みをつかんでやりこめる排他的な集団となっているのでした。

 大きな男が涙を流しているのを見て、これは正直な人だと思った亮二はしゃがんで男の大きな足に銅貨を置き、男はそれで窮地を脱することができました。家に帰って亮二がその話をお爺さんにすると「ははあ、そいつは山男だ。山男といふものは、ごく正直なもんだ。」と笑いながら言いました。

 しばらくして家の表でどしんという音がして、驚いて外に出てみると、太い薪が山のように投げだされていて、それにきらきらする栗の実も置いてありました。お爺さんと亮二は、山男からこんなに貰うわけにはいかないから、今度、着物や夜具を山にもって行こうと話すと、風が山の方でごうっと鳴ります。
 亮二やお爺さんは、村の若者たちと違って、山男との開かれた相互的なコミュニケーションをつくりだしていきました。

テーマ:宮沢賢治からの伝言 - ジャンル:その他

猫の事務所~いじめ横行の小泉政権は解散を命ずる~

 今日は宮沢賢治の動物寓話集「猫の事務所」の冒頭に収載された「寓話 猫の事務所」を紹介したいと思います。このはなしは、猫のいじめをあつかったものですが、賢治さんは、人間社会の告げ口やいじめのおろかさを揶揄し、猫社会におきかえて語り手に語らせています。

             「寓話 猫の事務所」本文をお楽しみ下さい。

 
 さて、物語です。
 猫の事務所、なかなか愉快な舞台の設定です。そう話の舞台である猫の第六事務所とは、猫の歴史と地理を調べる事務所です。

 ある日、ぜいたく猫が氷河鼠を食べにベーリング地方に行きたいがどこが一番いいかを調べてもらいにきます。そうすると氷河鼠の産地とか、ベーリング地方を猫が旅行する際の注意とかを事務長の猫がつぎつぎに質問して書記の猫が書類を調べながら答えていきます。 「夏猫は全然旅行に適せず」とか「冬猫もまた細心の注意を要す。函館(はこだて)附近、馬肉にて釣らるる危険あり。」などと調べてくれるのです。

 この猫の事務所のメンバーは、事務長が黒猫、一番書記が白猫、二番書記が虎猫、三番書記が三毛猫、そして窯猫(かまねこ)が四番書記です。窯猫というのは、「夜かまどの中にはひつてねむる癖があるために、いつでもからだが煤(すす)できたなく、…何だか狸(たぬき)のやうな猫」なのです。 それで窯猫は他の書記の猫に嫌われ、意地悪をされます。虎猫が机から落とした昼の弁当を窯猫が気をきかせて拾うと、「机から床の上へ落ちた弁当を君は僕に喰へといふのかい。」と虎猫にすごまれたりします。それでも事務長の黒猫は、間に入ってくれていました。

 ところが、窯猫が風邪をひいて休んでいる日に、他の書記の猫たちが事務長の黒猫に、窯猫は「何でもこんどは、おれが事務長になるとか云ってるさうだ。」などとあらぬ告げ口をされてしまいます。 愚かな事務長はそれを信じてしまい、翌日、窯猫が事務所に出てくると、他の猫とともに窯猫を無視して仕事をさせないようにします。昼を過ぎると窯猫はしくしく泣きはじめました。

 そんなところに金色の頭の獅子(しし)が現れ、「お前たちは何をしてゐるか。そんなことで地理も歴史も要(い)つたはなしでない。やめてしまえ。えい。解散を命ずる」と、事務所を解散させてしまいます。そして、語り手が「ぼくは半分獅子に同感です」と言うところで物語は終わりです。


 いま私たちの周りには、「いじめ」にまつわる話が多くあります。社会問題になるのが学校や会社でのいじめでしょうか。
 しかし、最近特に目につき、見苦しいのが一国の総理たるファッショ小泉首相の「いじめ」じゃないでしょうか。総選挙では、郵政民営化に反対した候補者に「刺客」を放ち、選挙が終わると自民党から追い出し、内閣でも気にいらない発言をすると、小泉べったりの人にいじめさせる、「改革競争」で反対する者は次々と排除していく、本当に純真無垢な心をもった子どもたちには見せたくない社会です。

 賢治さんは、いじめの舞台となる猫の事務所を、「金色の頭の獅子」に解散させました。できるだけ早い時期に国民が、「金色の頭の獅子」になって、ファッショ小泉政権を解散させなければなりません。これが賢治さんからの伝言だと思っています。

テーマ:思うこと - ジャンル:小説・文学

「狼森と笊森、盗森」~自然と人間との共生を~

 今日は、宮沢賢治の童話集「注文の多い料理店」に収載されている、「狼森と笊森、盗森」という童話を紹介します。人間が自然に対して謙虚に接すれば、自然もきちんと応えてくれということを、賢治さんは楽しい物語で伝言しています。
          「狼森と笊森、盗森」本文はこちらで読めます。
 狼森(オイノもり)、笊森(ざるもり)、盗森(ぬすともり)、それに黒坂森というのは、実際に小岩井農場の北にある四つの森の名前です。写真は岩手山ですが、ちなみに岩手では森は低い里山のことをいうそうです。
siki.iwatesan.gif


 まず四つの森の誕生物語です。ずっと昔、岩手山がなんべんも噴火しました。噴火がやがてしずまると、野原や丘には、穂のある草や穂のない草が、南の方からだんだん生えて、とうとうそこらいっぱいになり、それから柏や松も生え出し、しまいに、いまの四つの森ができました。

 その森に、四人の、けらを着た百姓たちが、山刀や三本鍬や唐鍬や、すべて山と野原の武器を堅くからだにしばりつけて、東の稜ばった燧石の山を越えて、のっしのっしと、この森にかこまれた小さな野原にやって来ました。

 そこが集落をつくるのによさそうだと思った農民たちは、周りの森に叫びます。「こゝへ畑起してもいヽかあ。」「こゝに家建ててもいヽかあ。」「こゝで火たいてもいいかあ。」「すこし木(きい)貰(もら)つてもいゝかあ。」それに森は一斉に「いゝぞお。」とか「ようし。」と答えてくれます。なんとも優しい自然の応えではありませんか。

 最初の冬を越し、春がきて蕎麦(そば)や稗(ひえ)をまき、秋になって無事に穀物が実る頃になって、小さな4人の子供の姿が見えなくなりました。
 驚いた村人たちは森にさがしに行くと、一番近い狼森(オイノもり)の奧からパチパチ音がしてきます。近くに行ってみると、火の周りで4人の子供が焼いた栗や初茸(はつたけ)などを食べ、その周りで狼たちが歌いながら回っているのです。
 大人たちが「狼どの、童(わら)しやど返して呉(け)ろ。」と叫ぶと火が消えしいんとして、子供たちが泣きだしました。狼たちは困って森の奧にいってしまいました。そこで、大人が子供たちの手を引いて森を出ようとすると、狼が叫ぶのが聴こえてきました。
 「悪く思はないで呉(け)ろ。栗(くり)だのきのこだの、うんとご馳走(ちそう)したぞ。」
農民たちは村に帰ってから、粟餅をつくってお礼に狼森にもっていきました。

 春になって子どもは11人になり、馬が二疋来ました。畠には、草や腐った木の葉が、馬の肥と一諸に入りましたので、粟や稗はまっさおに延びました。そして実もよくとれたのです。秋の末のみんなのよろこびようといったらありませんでした。

 そんな秋も深まり、ある霜柱のたったつめたい朝、今度は農具がなくなりましたが、なくなった九つの農具は、笊森の笊の中から出てきました。

 その次の秋、馬は三疋になりました。しかし、また不思議なことが起こりました。今度は粟餅をこさえようと準備した粟が全部なくなりました。今度は、盗森が粟を盗んでいたのです。
 それを見ていた銀の冠をかぶった岩手山が言います。「ぬすとはたしかに盗森に相違ない。…粟(あは)はきつと返させよう。だから悪く思はんで置け。一体盗森は、じぶんで粟餅(あはもち)をこさへて見たくてたまらなかつたのだ。それで粟も盗んで来たのだ。はつはつは。」
 みんなはあっけにとられてがやがや家に帰ってみましたら、粟はちゃんと納屋に戻っていました。そこでみんなは、笑って粟もちをこしらえて、四つの森に持って行きました。 

 人間が自然に対して謙虚であれば、自然も、働く人間に優しく応えてくれるのだ、ということを私たちに伝言してくれています。

テーマ:宮沢賢治からの伝言 - ジャンル:その他

前のページ 次のページ

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。